株式会社セガ -【SEGA CORPORATION】

EVENT REPORT

イベントレポート

セガゲームス社員のキャリア話

開催

セガキャリ #01「セガゲームス社員のキャリア話」開催レポート

移り変わりの激しいゲーム業界でキャリアを積むというのはどういうことなのか。幅広い年齢層において様々なキャリアを積んできたセガゲームス現役クリエイターが、自身のキャリアを語り一緒に考えるイベント「セガゲームス社員のキャリア話」(セガキャリ)を10月18日(水)AP渋谷道玄坂渋東タワーにて開催しました。セガゲームスが社員のキャリアにフォーカスしたイベントを行うのは今回が初めて。

イベントはクリエイティブ職専門のキャリアカウンセラーによる「ゲームクリエイターのキャリアパス」概論、セガゲームス社員によるトークセッション、懇親会の3部構成。
観客として20〜40代の現役クリエイターの方60名にお集まりいただいた、イベントの模様をお伝えします。

01

「ゲームクリエイターのキャリアパス」を考える

クリエイティブ職専門のキャリア支援で21年の経験を持つ株式会社イマジカデジタルスケープキャリアデザイン部トレーニングディレクターの林真理子氏が「ゲームクリエイターキャリアパス」と題して講演を行いました。働く以外にも親や配偶者、家庭人として社会的役割を果たしながら、ときには育児や介護などのバランスをとって舵取りをする必要性、体力の変化や時代に応じてスキルを替えていく必要など、誰しもに必ず訪れる変化について言及。

「望ましいキャリアは人によって異なる」としながらも、自分の市場性や希望、働く上での条件など、キャリアを考えるのに必要な要素を挙げながら、組織の上の階層を目指すキャリア以外にスペシャリストを目指す道、あるいはこれまでやってきた業務の領域を広げるなど、キャリアパスの事例、可能性について様々な提言を行いました。

02

トークセッション「セガゲームスのクリエイターが語るキャリアのあれこれ」

第二部はセガゲームスに所属する現役クリエイターらよるトークセッション。20代から40代のプログラマ、プランナー、デザイナーの3名にこれまでのキャリアや転機、今後の目標などについて語ってもらいました。

オンラインコンテンツ事業部

プログラマ
節政さん(40代)

主な開発タイトル:「ファンタシースターオンライン」シリーズ

コンシューマコンテンツ事業部

プランナー
富田さん(30代)

主な開発タイトル:「龍が如く」シリーズ

コンシューマコンテンツ事業部

デザイナー兼ディレクター
神戸さん(20代)

主な開発タイトル:「ぷよぷよ」シリーズ

まず、コンシューマゲームからオンラインゲームに転向し、マネージャーを経験した後に現在はプログラマとして「ファンタシースタ―オンライン」シリーズで活躍中の40代の節政さん。コンシューマゲームの開発を経て、オンラインゲームには2000年ごろから携わっています。
当時認知度が高いとは言えなかったオンラインゲーム。「こんなに面白いものがあることをみんなに伝えたかった」と自ら会社とかけあったことをきっかけに、立ち上げに参加されました。完成後に手探りで手直しを続けた創成期ならではの苦労話や、リアルに手応えを感じられるオンラインゲームの魅力など様々にお話いただきました。
ご経験を積まれるうちにマネージャーを任されますが、開発手法やワークフローなどの改善を通して開発環境を整備し、それらが機能するようになったので、改めて技術職に専念したいと考えるようになります。その考えを会社が認めてくれて『ファンタシースタ―オンライン2』(2012年)からプログラマのスペシャリストとして技術職に専念されます。セガゲームスにはマネジメントコースとスペシャリストコースの2つのキャリアコースがあり、その両方を自由に行き来できる制度を活用し、マネージャー経験後、改めてスペシャリストとして歩むことを決断されました。

続いてプログラマ出身で職種転換や転職経験があり、現在は「龍が如く」シリーズのプランナーとして活躍している30代の富田さん。新卒で入社されたのは小規模なゲーム会社だったので関わる領域が広く、プログラマといえども仕様書の意図を汲み取り、どうやってより良いものを創り上げていくか、プランナーとしての技術が求められる場面も多かったといいます。
業務を通じてプランナーとしての技術、感性も磨かれ、2社目ではプランナーへの転向を決意されます。そこではオンラインゲームの1タイトルに長く携わっていたため、新規開発をやっていきたいという想いから3社目のセガゲームスではコンシューマゲームの開発に転向します。現在は、年に一度のハイペースで新たなタイトルを生み出す環境でプロジェクトに没頭し、コンシューマ開発の経験を積まれています。スキルを高め、やりたいことが変わったタイミングで、転職を通じてそれらができる環境を手にいれ、キャリアを切り拓いています。「やりたいことがすぐにできるわけではない」としながらも、「やりたいことができるようになるためには力をつけていく必要があり、そのために求められるスキルを身につけていきたい」と話していました。

3人目は「ぷよぷよ」シリーズのUIのデザイナーとディレクターを兼務する女性クリエイターの神戸さん。美大を卒業後、新卒でセガゲームスに入社し、20代と若手ながらディレクター兼務に至るまでを語ってもらいました。
UIデザイナーながらも、ディレクターのポジションが空席になった際に就任を持ちかけられました。突然の話に「できるかな・・・」と不安がありましたが、周囲の「チャレンジすることは大事、一度やってみた方がいい」という声に押されて、考えてみることに。周りの先輩にも相談に乗ってもらい、「周りのサポートがあるし、まずはやってみよう!」と大任を引き受ける決心をします。若くてもプロジェクト全般を任されるチャンスがあり、周囲の先輩に気軽に相談できる環境があるセガゲームス。転職経験のある前出の富田さんも、「セガゲームスには年齢や役職の壁がない」とその社風に太鼓判を押します。
現在は外注先を含めた数社の調整役も行うなど、アートディレクター的な業務にも携わり、ディレクションとアートの橋渡しを行っている神戸さん。現在の業務で得た知見をUIデザイナーの立場からもチーム、プロジェクトに反映することで会社に貢献していきたいと考えるようになったそうです。
訪れたチャンスを活かし、まずはやってみることで、自分の可能性に挑戦しながら、業務の領域を着実に広げています。

03

懇親会

第三部は懇親会の場を設けさせていただきました。会場では参加者の皆さんがゲストスピーカーを囲みながら、同じ業界で働くクリエイター同士、和気あいあいと交流していました。

参加者の方からは、「いつか自分のやりたいことが実現できるようにスキルを高めておくという話には共感できた」「会社の先輩には転職を考えていると思われ、キャリアについて聞ける機会がなかったので本音の話を聞けてよかった」「概論でキャリアパスがイメージできるようになった」「マネージメントに進むか、専門性を高めるかで悩んでいたので、マネージャーからスペシャリストに戻る道もあるんだと、自分の将来を考えるうえでも参考になった」などの声を頂きました。
セガゲームスは今後もゲーム業界を盛り上げていくため、クリエイターの方々と交流を持てる機会を企画していきます。どうぞお楽しみに!

執筆:株式会社イマジカデジタルスケープ/林美香